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新型コロナウイルスについて(World War V を超えて)

2020年8月13日

新型コロナウイルスについて思うところをまとめました。

当然のことながら、私は感染症の専門家ではないので個別の小さな議論を離れて出来
るだけ大きな視点で物事をみたいと思う。

はじめに

私は循環歴史史観を持っている。75年から80年くらいで1サイクルが回ると考えてい
る。この歴史史観は、よくあるものだが、ウィリアム・ストラウス 、 ニール・ハウ
の「フォース・ターニング」が有名であろうか。トランプ大統領のアドバイザーだっ
たスティーブ・バノン(既に政権からは離れている)が信奉していることからも、よ
く知られている。

このサイクルは日本ならば、1868年明治維新、77年後は1945年第2次世界大戦終
戦、80年後は2025年。
米国ならば、1783年米国独立戦争終結、82年後は1865年南北戦争終結、80年後は
1945年第2次世界大戦終戦。

新しい社会システムは古いシステムの破壊の後に誕生する。大きく発展しつつ、ま
た、そのシステムも矛盾を徐々に抱えていく。その矛盾がどうしようもないほど膨
らんだ結果、転換期が起こる。転換期で、その矛盾が一気に解決へと向かい、その
後、全く新しい社会のシステムが動き出す。

その周期が一定なのは、人間は世代交代がなされていく中で、同じようなことを行
い、同じようなことを失敗し、同じような結末に至るからであろう。人類はそんな
には賢明な生き物ではない。

今回の新型コロナウイルスは、長期化し、この80年周期を終結させる切っ掛けにな
る可能性がある。75年前の戦争が敗北で終わったように、今度も日本は敗北する。

太平洋戦争では、いくつかの戦いがあった。
真珠湾攻撃、マレー作戦、ミッドウェー海戦、ガダルカナル島攻防戦、インパール作
戦、レイテ沖海戦、硫黄島の戦い、沖縄戦。
あるものは勝ち、あるものは負けるのだが、一つ一つの戦いで善戦をしようが、相手
に損害を与えようが、日本の敗北は戦争を始めた時点で、ほぼ決定であった。
アメリカ、イギリス、中国、最後にはソ連も参戦するという状態で生産力の低い日本
が総力戦で勝てるはずがなかった。
個別の戦いよりも、大枠の戦略が大切で、それがない組織は敗北する。
日本人は戦略的な思考が出来ないので、もし大和がもっと活躍したらだとか、ゼロ戦
よりもっと優秀な飛行機が出来ていたら勝てたのにというような技術論で戦争を考え
ようとする。それは全く間違っている。
技術よりも作戦、作戦よりも戦略が上位の概念である。上部構造がしっかりしていな
いと、下部構造がいくらしっかりしていても勝利はないのである。

今の日本も同じことである。

アベノミクス、日銀や年金による株価買い支え、2020年東京オリンピック誘致、20
25年大阪万博誘致、消費税増税、そして新型コロナ対応。
恐らく日本は全ての戦いに負けるのであろう。
仮に、いくつかの戦いで善戦をしても最終的には敗北する。善戦は敗北を先延ばしす
るだけである。

新型コロナの影響で2020年東京オリンピックが延期になった。
私の予想ではあるが、最終的には中止になるであろう。私は元々このオリンピックに
は反対の考えを持っている。税金を大量に使って一部の者が利益を受ける。その建前
としてスポーツや復興を利用する。それが、東京2020オリンピックである。
その誘致にも裏金が使われているであろう。

100歩譲って、仮に裏金があったとしても、その利益を全国民が受けることが出来る
のなら許されるかもしれない。この「許される」は法的なものではなく、社会的なも
のなのだが。
恐らく、このオリンピックにはアスリートファーストも被災地ファーストも国民ファ
ーストも存在しない。こんなイベントは中止になった方がよいのである。

新型コロナウイルスのPCR検査を抑制しているのは東京オリンピック開催への影響を
考えてのことである。PCR検査をすれば医療崩壊が起こるというのなら、それを防ぐ
方策を行い検査を行えばよいだけである。軽症者の自宅待機のための法改正、医師の
判断があれば検査を受けれる、ドライブイン方式での検査。

世界中の各国で行われている方法である。日本に出来ないはずがない。
正しいデーターがあって初めて正しい判断ができる。その最初の一歩がない日本の対
策は非常に危うい。

さて、ここまでの、こういった話こそ、技術的な話で、もう少し大きな視点で問題を
見てみたい。

新型コロナウイルスと政治

新型コロナウイルスの解決法は二つである。
➀早期発見検査法、有効な治療法の確立
➁多くの人が感染し、回復することにより免疫力を獲得する

現状は➀の確立された治療法は存在しない。研究中である。早期発見の検査法も同じ。
➁の感染のスピードをゆっくりにして医療が対応できる人を維持しつつ、➀の時間稼
ぎをする。恐らく、今、可能なオプションはこれだけであろう。

運が良ければ、➁の時間稼ぎで感染者が、あまり発生しない状況で➀が完成する。
その場合、一部の感染者だけで人類は、そのウィルスを克服できる。

運が悪ければ、➁の時間稼ぎの間に➀が完成出来ず、全人類が感染するということに
なる。全人類とは最悪の場合で、そこまでは進まないとは思う。

この中で最悪のシナリオでは急速な感染者の増加に医療体制が対応できず、多くの死
者が出る。最善の場合は医療体制が感染者の増加に耐えられるだけしか、増加が起こ
らず、死者は限定される。

もちろん、このオプションにも懸念事項がある。
本当に免疫力を身に着けることが出来るかである。

a、一度、感染すると、もう感染しないのか。
b、季節性のインフルエンザのように毎年、流行すると何度でも、感染するのか。
c、ウィルスは体内から消えないで、免疫が落ちると再発するのか。

これらに、まだ明確な答えは出ていない。

分からないものには最大限の警戒をするという考え方は理解できるものである。
但し、そのコストがどれほどかかるかということが問題となる。
つまり、警戒のコストが十分低いものであれば、その警戒は意味のあるものになるし、
それがあまりにも高い場合は警戒することが意味をなさなくなる。

この時間稼ぎで日本では現時点は「自粛」や「学校閉鎖」がなされ、世界各国では
「封鎖」が行われている。この経済的なコストは、恐ろしく高いものになっている。
経済が止まってしまえば、コロナとは別の理由で死者が出る。

コロナの犠牲者と経済破綻の犠牲者と、どちらが多いのかという話になる。
一方を減らせば、一方が増える。トレードオフの関係だ。
つまり、俗な表現をすれば、「コロナからは助けてやるから、貧乏人から順番に死ん
でいけ」となる。

コロナの犠牲者と経済破綻の犠牲者を共に抑制する方法はないか。
長期的な方法は存在しないが、短期的な方法なら存在する。

それは政府の財政出動である。政府のお金を惜しみなく使う。
これがない場合は「封鎖」は貧乏人を順番に絞首刑台に送ることと同じになる。

今の世界の状況は「World War V」「ウィルス世界大戦」を宣言しそうな勢いであ
る。VはVirus(ウィルス)とローマ数字での5番目をかけている。
第1次世界大戦、第2次世界大戦、米ソ冷戦が第3次世界大戦、テロとの戦いが第4次世
界大戦。第5次世界大戦「World War V」が宣言されれば、テロとの戦い(第4次世界
大戦)は急速に終戦へと向かう。既にテロとの戦い(第4次世界大戦)は終わってい
るのかもしれない。

「World War V」となれば、各国政府は無限に財政出動ができる。
もしかしたら、既に宣言なしで「World War V」に突入しているのかもしれない。

それでは政府の財政出動は、どれくらい持つのか。おそらく数年は持つのではない
か。アメリカ、ヨーロッパ、日本といった先進国は全て同じ状況であろう。
数年後にはどうなるか、最終的には各国が財政的に破綻し、各国国債が暴落し、現
在の通貨が信用をなくし、社会システムを崩壊させるであろう。
年金や医療保険といった社会資本もなくなる。ここでも多くの犠牲者が出るであろ
う。経済的な損失、社会的な混乱の後、新たな通貨、新たな社会システムが作られ
る。

ここまで考えてみると、果たして、これほどの変化をもたらす、コロナの犠牲者を
減らすという政策は妥当なのかという思いが出てくる。

大きく分けると今の日本には対立する3者がいる。

➀コロナの犠牲者を出来るだけ減らしたい人:「人道主義者」
文字通り人間の生命の価値を最大限に評価する人達
ここには老人や既存症を持つ人など、コロナによって命の危険に晒される人たち、
その恐怖を実感している人も含まれる。
とにかく「封鎖」でも何でもやって感染を抑えてほしい。

➁「自粛」や「封鎖」によって経済的損失を被る人:「経済的弱者」
今の日本のゆるやかな「自粛」でも、かなり経済的損失を受けてる人がいる。
倒産や廃業の危機にある企業も多数ある。
「自粛」も、出来るだけ早く止めてほしい。
「封鎖」にでもなったら金銭的な補償がほしい。

➂現在の社会システムを維持し、既得権を維持したい人:「社会システム維持派・支
配階層」政府の財政支出を出来るだけ抑制しながら「自粛」を要請することで金銭補
償は避ける。社会の維持、延いては、その中での自らの権力を維持したい人達。

現在の日本では➀と➂が同盟を組んでいる。
➀が「コロナ怖いですよ。命を守りましょう。」という。
➂が「「自粛」です。「封鎖」です。金銭的な問題はゆっくり考えていきましょ
う。」と返す。両者の同盟で②の経済的な弱者が少しずつ首を絞められている。
「まだ死なないよね、もう少しくらい我慢できるよね」と言いながら➀と➂が➁の首
を真綿で締めているのだ。既に死んでしまった人もいるかもしれない。

私は多分➁です。➀の人の考えは理解するが、それなら一緒に➂と戦いませんかと言
いたい。日本以外の先進国では、金銭補償が大規模になされている。日本も政府支出
を増やすしかない。

「新型コロナウイルスで1週間後に死にますか、経済破綻で1年後に死にますか、政
府の社会システムの破綻で数年後に死にますか。」
この問いかけが全人類に投げかけられている。
もちろん、どの条件でも死ぬのは一部の人に過ぎない。多くの人は生き残っていく。

この選択肢の前では、誰しもが一つの答えしか選べないであろう。
「政府支出で「自粛」や「封鎖」を支えろ」と。
破綻の先送りで、治療法の確立を待つことだけが唯一の解決法だと多くの人が判断す
るであろう。

ただ、私は➀の方に、最終的に社会システムが破綻した場合には、やはり医療システ
ムをはじめとした多くのシステムが崩壊し、多くの人命が失われることを忘れないで
ほしいと言いたい。
年金制度、医療保険制度、公的教育システムが崩壊したとき、そこでの犠牲者、つま
り社会的弱者が急速に増えていく。その総数は新型コロナウイルスの犠牲者と比べて
どうであろう。

社会システムの移行期に生じる犠牲者と新型コロナウイルスの犠牲者は重なってくる
かもしれない。人類が、いろいろ試行錯誤して最善の位置に立ったつもりが、実は最
初の位置であったということも十分あり得る。それでも、その時間稼ぎが必要なのか
もしれない。

「World War V」が宣言されたら、個人の私権が制限されることもあるだろう。
為政者は、その制限だけに人々の意識を集めたいのだろうが、忘れてならないことが
ある。「戦争ならば金を惜しむな」ということだ。

敵が突っ込んでくるのに、ある距離までは発砲するなとか、時間的に一斉に発砲しよ
うだとかいう銃弾を効率的に使う方法は意味があるが、単発で、敵一人一人を、よく
狙ってから撃ちましょうなどというやり方では敗北は必至である。「戦争」には「無
駄」が欠かせないのである。

為政者は、自分の懐を傷めないで、「自粛」や「封鎖」を行い、その成果だけを手に
入れたい。「素晴らしいリーダーシップで新型コロナウイルスに立ち向かっています」
と宣伝したい。為政者はノーリスクで国民にはコストだけが、押し付けられる。

これは許してはならない。きちんと政府は「自粛」や「封鎖」をするなら「補償」も
行うべきだ。「補償」(損害を補う)であって、「保証」(政府が借金をさせてやる
から、それでなんとかしろ)ではないのである。日本政府は諸外国並みの政府補償を
行うべきだ。

今すぐにでも行えることがある。軽症者を収容するためのホテルの借り上げや、重症
者用の病院のベッドを事前借り上げである。ホテル収容者には飲食店からのデリバリ
ーで食事を供給してもよい。新型コロナウイルスで大打撃を受けている宿泊業や飲食
業への援助にもなる。タクシーで運転席と後部座席を分離する修理も早急に行うべき
だ。真ん中に簡単なアクリル板でも挿入すれば、運転手の安全は確保される。このタ
クシーで軽症者を自宅や病院から軽症者の収容所に移動させる。タクシーはアプリで
呼べばよい。タクシーは国が借り上げ感染者を運ぶ業務につかせる。当然タクシー代
は国が負担する。こんな小さなことにケチケチするべきでない。

金を大量に使えるならやれることはいくらでもあるのである。

「政府に金をくれなどというのは下劣な人間のやることだ」という批判は間違ってい
る。現在の日本の国民負担率は44.6%、財政赤字を入れた潜在的負担率は49.9%にな
る。つまり国民の稼いだ金の、かなりの割合を国が召し上げて、国民の利益のために
使っているのである。国民は政府が、きちんとした使い道で金を使うならば、税金や
社会保障費を納めるのだろうが、その約束が守られないならば、預けた金を返せとな
る。

https://www.mof.go.jp/budget/topics/futanritsu/20200226.html

政府からの支出は施し金ではない。国民との契約によって決められたものである。憲
法にある「健康で文化的な最低限度の生活」である。もし契約が故意によって守られ
ないならば、契約が破綻し、もはや不要となった組織は清算し、残金を国民に返還す
ることも考えられる。国が今、国民から集めている金額は、それほど重いものなので
ある。

もう一つ大切なのは「情報開示」である。「World War V」には秘密事項は存在しな
い。なぜならウィルスは知的生命体ではないからだ。ウィルスが人類の作戦を先回り
して回避するということはあり得ない。それでも為政者は情報操作をしようとするで
あろう。その多くは自らの責任回避や失敗を隠すために使用される。

パニックを避けるためという言い訳が用意されるが、トップが定期的な会見で全ての
質問に答え、自分が答えられないことは専門家に話してもらうようにすればよいだけ
のことだ。その程度のことが出来ないのならばトップにいるだけの能力がないのであ
る。能力がなければ辞めるしかない。

私が言っているのは、当たり前のことだ。合気道の先生が弟子に負けるようになった
ら、先生を引退しなければならない。これは、どの分野でも同じことだ。

現実の日本のトップは「情報開示」どころか、積極的に「情報操作」を行う始末だ。
こんなトップを心から信用するという人がいたら、お目にかかりたいものだ。

「非常事態宣言」やりたければやるがよい。この宣言は私達の私権を制限するであろ
うが、それは政権に何でもやりたいことが出来る「免罪符」を与えることを意味しな
い。国民は平時より一層、政府の有様を監視し、批判し、それに政府は答えなくては
ならない。「非常時だ、みんな俺の言うことをきけ」には疑いの持ち続けなければな
らない。為政者にとっては「非常事態宣言」は世間から批判が発生しない最高の状態
である。このような、ぬるま湯は人も組織も腐敗させる。今でさえ腐っているのに。

「非常事態」であるからこそ、批判をどんどんしていかなければならない。

新型コロナウイルスが変える覇権構造

循環史観で考えれば、これは80年周期の変化へとつながる。
リーマンショックは100年の一度の暴落と言われたが、恐らく2000年のITバブル
崩壊と同様10年周期の危機にすぎない。

私は現在の金融市場の下落がリーマンショックのように、徐々に平常状態に戻って
いくとは考えていない。現在の金融パニックは一時的には収まる、いや既に収まっ
ているのかもしれない。皆が現金を確保しようと、持っている資産を売値を考えな
いで売りまくった局面は3月中旬に発生し、現在は収まっている。そして、これか
ら断続的に発生していく金融危機の中で金融市場は大きく変化していく。

ドルの急激な値上がりは米ドル現金の不足を意味する。現在は落ち着きつつある。
https://jp.tradingview.com/symbols/TVC-DXY/

つまりリーマンショックのように底値の株価で購入できれば、何年後かに大きな利
益を得るなどということはない。金融市場の土台そのものが崩壊していく。

現在の金融市場の大きな発展は80年周期のアメリカの覇権体制の中で作られてき
たものである。この金融市場の発展の中で「金で金を増やす」行為が生まれてきた。

本来ならば、実際の経済、例えば道路を作ったり、鉄道を引いたりして、実態経済
を発展させ人々の生活水準が上がり、その結果、経済が発展して利益が上がるとい
うのが、あるべき経済の在り方である。

「金で金を増やす」とは株や債券やその他の派生商品の売り買いだけで、利益を上
げる行為である。これが実体経済よりも大きくなり、実体経済を振り回すようにな
っている。

この「金で金を増やす」行為が、終っていく。

例えば、「World War V」が宣言され、株式市場、債券市場、商品市場が閉鎖され
たらどうなるか。「金で金を増やす」行為の多くは金融市場が永続的に開かれてい
るということを前提に行われているため大混乱が生じる。

他の視点も考えてみよう。
現在、全ての証券の基準は米国債である。
アメリカの発行している国債が世界で最も信用があるものであるとされている。

金融市場に関係する人にとっては、これは常識である。金融市場で活動する人々の
揺るがない大地が米国債なのである。この大地が崩壊したらどうなるか。
米国債の信用の源は現在の覇権国がアメリカだということに由来する。国際的な取
引では、ほぼ米ドルだけが使用される。現在は外国からものを買うのに全ての国が
米ドルを持たざるをえない。米国は今後、覇権国をやめていく。その国の通貨が基
軸通貨であることなど有り得ない。

私が前段で➂の社会システム維持派を批判するのは、この金融市場の破綻が間近だ
からである。

私は株もFXもやらないから金融市場の破綻には関係がないと思う人がいるかもしれ
ない。あなたの預金のある銀行は日本国債を大量に持っている。この破綻からは逃
れられない。タンス預金で現金を持っている人間も同じである。現金、日本銀行券
は最終的に日本国政府への信用を担保に成立している。この信用がどこまでもつの
か。現金の裏返しは負債である。負債が消滅するとき現金も消滅し(これを借金返
済という)、負債が返済不可能になるとき現金も、その価値を失うのである。

金融以外の政治の分野でも大変動が起こる。

米国が覇権をやめるのである。この影響を日本人はまともに食らうことになる。現
在の日本人は皆、米国に極度に依存している。それは右も左もだ。

右・「親米保守」は米国の「ポチ」になること以外に選択肢がない。米国が日本を
守らないと日本国民が知った時、日米同盟が続けられるのであろうか。

左・「護憲派」も形を変えた米国追従である。先ずは「日米安保」が存在する。そ
の中で米国からの出兵要求、つまり「日米安保」のコストを最小限に抑えるために
「憲法9条」を盾に抵抗するというのが「護憲派」の戦略である。
「日米安保」そのものが無くなった時、この戦略も破綻するのである。

米国の世界覇権からの撤退は日本に大規模な政治変動をもたらす。

今の安倍政権を支持している、おそらくは、あまり知的水準の高くない人達は「中
国はもうすぐ破綻する」「米国が中国をやっつけてくれる」と考えているであろが、
既に勝負は決まっている。

世界最強の軍隊を持っていても、製造業で中国に頼っているような米国が勝つこと
は有り得ない。中国は戦争をしないで、じっと待っていれば米国は自分で衰退して
いくのである。いつか中国が戦争を起こすとかいう人間もいるが、待っていれば勝
利が確実なのに戦争をする馬鹿はいない。戦争を望んでいるのは米国なのである。

日本は米国がアジアから引き上げた未来の生き残り戦略を考えなければならない。
それを考えている政治家は、ほぼ皆無だ。米国以後を我々は生きねばならない。

再びやってきたパニック

全世界を新型コロナウイルスのパニックが覆っている。パニックではなく、生き残
るために正しい反応だという人もいるであろうが。10年、20年の単位で見れば、
やはり現在の状況はパニックであろう。

これを日本人は9年前に経験している。東日本大震災での原発事故による「放射能パ
ニック」である。

東日本大震災での福島第一原発の事故で放射性物質が漏れた。そして現在でも少しず
つ漏れている。

但し、チェルノブイリのような大量のものではなかった。事故の前のきれいな環境は
簡単には戻ってこないであろうが、放射能のレベルはリスクを許容して生きていける
程度だ。

少なくとも、日本の多くの人は、そのように考え、生活している。リスクを許容して
生きるということは、放射性物質が漏れたことの責任を追及しないということではな
い。過去の過失は追求しつつも、現状を受け入れながら生きていくことは出来る。

一部の人達は、現状を受け入れてしまって、過去の失敗も仕方がなかったこととして
処理しようとしている。現状許容と責任追及、この二つは両立するのである。

新型コロナウイルスも、恐らく、この放射能との付き合い方のようになっていくであ
ろう。ウィルスは簡単に消えはしない。昔のような世界は帰ってこない。しかし、人
々は、その世界に順応し生きていくのである。

放射能とは大きく異なるのは、短期間に死亡する危険があるということだ。日本での
放射性物質の流出量は急激に人を死に追いやるレベルのものではない。ウィルスへの
恐怖は放射能よりも大きい。そして「放射能パニック」の際は逃げる場所が存在した。
当時は西日本や海外に逃げた人もいた。今度は地球上に逃げる場所はない。これも人
々の恐怖の要因であろう。

治療法やワクチンよりも、検査法の方が先に確立される。例えば鼻の粘膜から採取さ
れるウィルスで調べるのがPCR検査だが、採決によってウィルスの抗体を調べる検査
が既に始まっている。既に症状が治まり、抗体を持っている人間は感染リスクが下が
ると予想される。外出も社会活動も自由にしても大丈夫と予想されている。

https://www.trt.net.tr/japanese/shi-jie/2020/03/26/xin-xing-koronauirusu-igirisu-kang-ti-jian-cha-wojin-kunetutofan-mai-he-1385422

https://www.rieti.go.jp/jp/columns/a01_0553.html

抗体を持っている人が、再び感染することはないか。
抗体はどの程度の期間保持されるのか。
いくつかの種類があるらしい新型コロナウイルスに、抗体はどの程度の効果があるの
か。

まだ不明な点は多いが、少しばかり明るい兆しである。治療法が確立され、死亡者数
が下がってくるのは、まだ先になってくる。死亡するリスクは簡単には下がらないが、
自分が感染しているのか、目の前の相手が感染しているのかが簡単に判別出来るだけ
でも人々は事態に冷静に対処することが出来るようになる。

恐らくは、一定の人が感染し、死者や後遺症を持つ者を出しながら、人類は新型コロ
ナウイルスを克服していく。腹を据えて対応するしかない。

私個人は、新型コロナウイルス単体の影響には、それほど心配はしていない。確かに
死ぬ人も傷つく人もいるが、それを人類は超えていくだろう。しかし、今後、ウィル
スが変異して強毒化したり、別の系統のウィルスが発生したりすることを私は心配し
ている。もっと現実的な問題ならば、この状態で水害や地震や火山噴火等の災害が起
こった時、救助が出来るのか。新型コロナウイルスの複合的な影響は十分大きい。

「World War V」の戦争責任

戦争ならば敗戦の責任が存在する。勝者になれば戦争中の失敗は免責される。
「World War V」が、どのような形で終わるのかは誰も分からない。華々しい勝利
であろうが、傷つきながらの勝利であろうが、責任者は追及されなければならない。

「World War V」の余波による損害も将来的には出るだろう。多くの政府で財政破
綻が起こる。その責任は誰がとるのであろう。

現代の日本人は責任を取らない。これは昔から、そうだったわけではない。武士は自
分の責任でなくても腹を切らされた。無責任主義が当たり前になってきたのは、先の
大戦の責任を誰も取らなかったことにもつながる。

A級戦犯が処分された「極東軍事裁判」は所詮、他国が裁いたものである。本来なら
ば我らは自分達の手で戦争の責任者を処分しなければならなかった。それを他国が裁
くようなかたちになってしまったから、ナショナリズムでA級戦犯への評価が歪んで
しまった。

本来ならば昭和天皇(裕仁天皇)が責任をとり、退位するべきであった。敗戦直後は
無理でも、サンフランシスコ平和条約後に退位し、全国を贖罪と慰霊で行脚する。そ
れが出来なかったのは、所詮、天皇も責任を取らない典型的な日本のリーダーであっ
たということを表している。

昭和天皇(裕仁天皇)の出来なかったことは次世代がやるしかなかった。明仁天皇が
行った「慰霊の旅」がそれだ。責任を自分達の世代で処理しないと子孫にその処理を
押し付けることになる。終戦時に12歳であった明仁天皇には本来全く責任がない。そ
の方の「慰霊の旅」では、本当の意味での責任は果たすことができない。

今度の「敗戦」では責任者を処分することが出来るであろうか。その処分がなけれ
ば、我らは、また80年後にも同じことを繰り返すであろう。

日本の将来のためを考えたら、責任者は是非とも処分するべきである。「民主政体の
リーダーは国民が選んだものだから国民全体に責任がある」という意見も結局は全員
に責任があるから、処分することもできなくて、全員に責任がないのだというふうに
なってしまう。国民が損害を受けているのは明らかであろうから、国民の責任は、そ
の損害と相殺するということで、やはりリーダーは、それとは別に処分するべきであ
る。

一部の政治家や官僚は当然処分の対象である。

それなりの地位にいる者は、それなりの能力と意志を持たねばならない。それがない
者は、辞めなければならない。
その間に故意に組織に損害を与えたのであれば、その損害を償わなければならない。
任期中に犯罪を犯したのであれば、その罪を償わなければならない。

この当たり前のことを行えばよい。

A級戦犯のトップは安倍晋三である。

個人的には彼に同情も感じる。あのように能力も意志もない者が政治の世界には入っ
てはいけなかったのだ。自分の能力に相応しい場所に勤めていれば、周りから散々、
馬鹿にされ、叱られ、面白くない一生をおくることになったろうが、安い居酒屋でく
だを巻く程度で済んだはずだ。

是非とも彼には、きちんと責任を取っていただき、政治家に相応しくない人間がなる
と、このような悲劇的な結末になるということを示してほしい。

安倍晋三は国会議員を辞めるべきで、恐らく任期中に犯罪も犯しているであろうから
牢獄に入ってもらうべきである。もちろん裁判で全容が解明されてからになるが。

「安倍首相も頑張っているから、みんなで応援しないと」などという人は、よほど仕
事の出来ない人であろう。仕事はそんな低レベルでやってはいけないのである。
彼の仕事は、まともな会社で、まともな仕事をしているサラリーマンからすればツッ
コミどころ満載の惨いものだ。

「非常時だからこそ安倍首相を支えましょう」という人もいる。その人には二つの世
界大戦でドイツがどうなったかを振り返ってほしい。
第1次世界大戦のドイツでは戦争末期、革命が起こり、帝政が崩壊し、戦争が終わっ
た。ドイツは国力に余裕がある状態で戦争を終えた。
第2次世界大戦では、その反省で全員が最後まで戦うことが求められる。結果、政府
が崩壊するまで、戦争は終わらなかった。ヒットラーはドイツ国民を自分の死出の旅
路の道連れにしようとした。最終的にドイツは前の大戦以上の被害を受けることにな
った。

間違いは早めに修正した方が結果的に社会は比較的傷つかないですむ。

安倍晋三には、牢獄に入っていただき、後世に大きな戒めを残していただきたい。

安倍さんに、ただ総理大臣辞めて欲しいだけの署名

最後に

恐らく「World War V」は世界を変える。
組織は組織防衛を考えると、新しいことが出来なくなっていく。
組織が陳腐化して行動が出来なくなり、その代わりに個人が動くしかなくなる。
少なくとも転換期はそうなっていく。
先が見えない変わっていく世の中は大きなチャンスでもある。

それならば、自分の全力で動くしかない。

前述したように、「金が金を生む」仕事はなくなっていく。
人々が喜んでくれる。その結果が金になる。この当たり前のことが仕事になる。

個人がリスクを取って動く。
人々の喜びを目指す。

この二つが「World War V」後の世界では生きてくる。
これは「World War V」が終わるまで待っているということではない。
どんどん動き始めることだ。

この人もリスクを取っている。

山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信

世の中がどんより暗く曇っているならば、一人一人が世の中を照らせばよい。
別に難しいことはいらない。
自分の出来ることをやればよい。
そこで全力を出せばよい。

周りを笑わせるために、くだらないオヤジギャグを言う。
買出しにいけない人のために、買出しに行ってあげる。
何かしてもらった時に、「ありがとう」って全力の笑顔で言ってみる。

出来ることでよい。もしかしたら自分の出来ることは、もっといろいろあるかも
しれない。
迷ったら人が喜んでいる顔が想像できるかどうかを考えよう。
世界で喜びが発生するなら、それはやるだけの価値のあることだ。

ちなみに私が今までやったのはこんなこと。

自分の呼吸法のトレーニングビデオをYou Tube にアップして日本語と英語の字
幕をつけた。

https://youtu.be/XTHRhSuA_Y4

https://youtu.be/2knN2w6y8Do

イタリア語、ドイツ語、ロシア語、中国語は、字幕をお願いした。
他の言語もお願いしている。

中国ではYou Tubeが見れないから Youku にアップした。

中国語

https://v.youku.com/v_show/id_XNDYxNTUyOTI1Ng==.html

https://v.youku.com/v_show/id_XNDYxNTUyOTkyMA==.html

英語

https://v.youku.com/v_show/id_XNDYxNTUzMTk1Ng==.html

https://v.youku.com/v_show/id_XNDU5ODk2MzMzNg==.html

まだ、他にも計画中なこともある。

小さなことでよい。小さな灯りでも沢山集まれば、それは世界を照らすだろう。

2020年4月4日 パンデミックとロックダウン前夜の東京にて記す。

森 智洋

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