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「死ぬ瞬間の5つの後悔」を読んで

死ぬ瞬間の5つの後悔 ブロニー・ウェア 新潮社

 

本書は筆者が緩和ケアの介護を長年つとめ、多くの患者を看取った経験を基に書か
れたものです。

緩和ケアとは終末期の患者が身体的、精神的に安らかに過ごしてもらえるように医
療的な処置だけに留まらず、精神的、社会的な観点からケアをするものです。

本書は筆者のブログからまとめられて構成されています。一言で言えば人間の生と
死と魂にかかわる美しい物語です。もちろん実話です。

多くの患者との出会いと死という別れ、筆者と患者たちとの美しい交流、患者たち
の魂の成長、そして筆者に訪れる試練とそれを乗り越えた先に得られた幸福が、美
しく織りなされています。

稚拙な私の文章で詳細を話すのは屋上屋を重ねるで、無駄な事この上なく、詳細は
実際に読んでいただきたいので、私の感想を書いていきます。

人は必ず死ぬものです。しかし現代社会では人が亡くなるときに、それに向き合え
る機会は非常にまれです。私達、現代人は死を恐れています。それ故、それを忌避
して見ないようにすることで、その恐怖を感じないようにしています。

何人もの人の最期に向き合う人は、それに対して自分が傷つかないように機械的に
処理する道を選ぶか、筆者のように魂の触れ合いを求めるかの二つの道に分かれる
のでしょう。

その選択が道義的に良い悪いということではありません。ただ、筆者のように行動
する者は大変な経験をしながらも、自分の魂を物凄く磨くことが出来るのだと思い
ます。

筆者が選んだ道はエベレストに登るような険しい道です。これを出来る人は、それ
ほど多くはありません。よほど徳の高い人しか、この山は登れないでしょう。そし
て、その人達は生まれる前から、その山を登ることを決めて現世にやってくる。

多分、筆者も私も、またこれをお読みの多くの人は「人はどこから来てどこへ行く
のか」という問いに、ある共通の答えを持っているのではないでしょうか。

人の魂は不滅で何度も輪廻転生を繰り返し、魂の修業を行う。現世の境遇も、その
修業がやりやすいように生まれる前から決めてきて、その修業が上手くいくことが
人生の最大の目標であり喜び。

こんな考えは古今東西、あらゆる宗教を問わず、人の死生観の根源部分に大きく鎮
座しているものです。

現世での様々な人との触れ合いを通じてお互いの魂を磨き合う。これが筆者をはじ
めとする多くの人の人生観です。

この物語は多くの魂が触れ合い、ぶつかり合い、傷つき合い、認め合い、愛し合い
共に成長していくものです。魂たちの成長の物語です。

人は自らが成長することに喜びを感じますし、他人が成長するのに協力できた時に
も喜びを感じます。そして大きな力が自分や周りの人達を良き方向に導こうとして
いることに気付いた時、もっと大きな喜びを感じることが出来るでしょう。

本書は、そんな物語です。

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